【withコロナ時代のビジネス】空き家活用を通じた地方創生Vol.1に続くVol.2です。今回は具体的な地域の抱える課題を展開しながら、空き家課題が具体的に何が課題なのかを整理していきます。【withコロナ時代のビジネス】空き家活用を通じた地方創生Vol.1は下記のリンク先からお読みください。連載ものなので順番にお読みいただくことをお勧めします。

【withコロナ時代のビジネス】空き家活用を通じた地方創生Vol.1

では、まず地域の抱える課題についていくつか具体例を用いりながら整理していきましょう。地域の抱える課題としてあげられるのは、人口減少、少子高齢化、人口流出、耕作放棄地、空き家、担い手不足などなど様々あります。地域の抱える課題と言っても、これらは単純に地方の地域が抱える問題ではなく、日本全体の大きな課題であります。よって、これらの課題をクリアする、あるいは許容しながら新たな切り口を模索していかなければ日本全体の明るい未来はないに等しいと考えられます。課題は視点を変えればネガティブな要素だけでなく、ポジテイブに捉えることもできます。そして、ポジティブに捉えることができれば、そこには必ず新しいマーケットが生まれ、ビジネスチャンスが眠っているのです。

目次
・人口減少について
・少子高齢化について
・人口流出について
・担い手不足について
・耕作放棄地について
・空き家について



・人口減少について



現在日本では、少子高齢化が急速に進んだ結果、2008年をピークに人口減少に転じていると言われております。現在、日本の人口は一億二千万人程度と答える人が多いと思いますが、2050年には一億人を下回るのではないかという見立てが総務省から発表されております。人口減少に末に待っているのは、超少子高齢化社会である。2050年の高齢化率は36.8%となり、現役世代の1.4人で1人の高齢者を支える社会構造が待っている。かなり厳しい社会であろう。人口減少社会において地域ではどのような課題が出てくるのだろうか。総人口の減少から考えると、地域として成立しなくなる地域が続出することが想像できる。過疎化、限界集落などといったキーワードは近年でもよく耳にするが、地域おこしよりも、ある程度の取捨選択を行いながら人口をある程度集約させながら、残す残さないといった極端な決断をせざるを得ない時代もすぐ目の前に来ているのも事実であろう。

・少子高齢化について



少子高齢化がもたらす課題は何があげられるでしょうか。一つの仮に100人のまちでシュミレーションしてみましょう。100人のまちで子どもの数が20人、現役世代が70人、高齢者が10人の場合だと、幼稚園、小学校、中学校までは一つのまちで成立する設定としましょう。ここでは子どもたちを支える医療や福祉、現役世代への手厚い支援が必要となるでしょう。しかし、少子高齢化が進み、子どもの数が5人、現役世代が60人、高齢者が35人となるとどうでしょうか。これまで必要だった小児科のニーズは激減、高齢者向けの医療福祉が求められます。また、学校は統廃合を進めなければならなくなるでしょう。高齢者を支える社会保障制度が求められ、学校は福祉施設に転換されることとなるでしょう。各世代の比率が変われば、まちのシステムや機能の転換も求められるのです。しかし、後者のケースで考えなければならないのは、前者の10年後と後者の10年後でのまちの人口の減少率は大幅に増えていくということです。その時、まちのシステムや機能をアップデートする予算は誰が負担しますか。戦略的なまち全体の統廃合も視野に入れた戦略が求められてきます。

・人口流出について



では、少子高齢化、人口減少に追って出てくる現在進行形の大きな課題は地方地域における人口流出でしょう。都市一極集中の課題も現在進行形にて大きな課題となっていますが、地方地域の数から考えると人口が少なくなりつつあるまちから毎年一定の読み難い人口流出が起きていることの方が小さなまちの今後の見通しを立てる上で課題となっていると言っても過言ではないことです。そうした際に、なぜ人はまちを出て行ってしまうのか。生活環境、職の環境、経済的な環境要因は様々あります。底上げに力を入れて行くのか。縮小させて新たなモデルを形成して行くのか。まち全体をクローズしていく方向に行くのか。ベクトルを合わせた官民連携の施策を検討していかなければこれらの課題は一向に解決しないものです。まちを活性化させるのも、まちをクローズすることも、関係する隣接地域と連携を図りながら戦略的に進めて行く必要があります。そのため、どちらがいい選択かよりも、どちらに進むのかを決断し、実行していくことが大切になってきます。地域の抱える課題に関して、どう捉えるのか一つで課題にもなれば、課題解決のために加速させていく課題でもあったりするのです。



・担い手不足について



日本での伝統産業や第一次産業の担い手不足は深刻化している。これは、前述している少子高齢化、人口減少、人口流出の末に起きている課題である。人的な課題もそうであるが、一方で経済的な課題も深刻化の一因であろう。農家は儲からない。職人は儲からない。流行らない。そんな風潮がどこかで流れているのではないだろうか。なんとなく田舎からは離れて便利でファッショナブルな生活を送りたい若者が多いのだろう。しかし、その都会で見た野菜の生産地はどこか、生産者は誰か、そんなことを考えたことはあるだろうか。そのキャベツ一個が再来年にはもう同じ生産元ではなくなる可能性は大いにあるのだ。現在、最先端技術などを駆使し、農業のICT化が進んでいる。これは一つに課題解決型ビジネスと言えるだろう。ロボット技術やICTを活用した農業はスマート農業とも呼ばれ、現在その市場は成長市場の一つであると言える。では、伝統産業ではどうだろうか。意外にも職人が重要視される産業なので担い手不足は深刻である。しかし、現在、メイドインジャパンの海外への販路拡大は伸びの傾向にあり、儲からないから儲かるビジネスに転じているのである。どのように産業を守るか、成長させるか、新たな成長戦略が今求められている。そして、各種課題の中でも市場が開始めている領域である。

・耕作放棄地について



少子高齢化、人口減少、人口流出、各種産業の担い手不足の先には、まちの土地にも変化が起きる。例えば、農業の担い手がおらず、そのまま廃業した場合、これまで手入れされていた畑や田んぼは耕作放棄地へと転じてしまう。これによりまちの景観は損なわれるだけでなく、獣害問題なども複雑に絡んでくる。まちの魅力度は低下していくだろう。耕作放棄地を活用したビジネスは意外にも新たな課題解決型ビジネスを生む良いリソースであるとも考えられる。シェアして畑や田んぼをもつオーナー制度などはその先駆けだろう。都市で農業のできない人にとって、シェアで管理できるという概念は非常に合理的なシステムであると考えられる。他には何ができるだろうか。空き家活用を通じた地方創生の次は耕作放棄地活用ビジネスアイデア集などをリリースしてみようと思う。

・空き家について



さて、今回の特集の本題である空き家問題について整理していこう。全国の空き家数は現在800万戸を超えており、過去20年から比較して約1.5倍に増加している。世帯数が2023年に約5400万世帯と推計されており、23年以降世帯数は減少していくと推計されている。対して、住宅ストック数は約6200万戸を超えており、世帯数をしっかりとカバーしている。このままだと2030年を超えた頃には、空き家数は2000万戸を超え、空き家率30%の時代も目前に来ているのである。では、そんな空き家はなぜ空き家のままになってしまうのでしょうか。端的に見ると需要と供給のバランスが崩壊していることが一番の要因です。まだ使えるものがあるのに新しいものを作り、手に入れてしまうのは人間の性なのでしょうか。気がつけば社会問題になっている。というのは空き家問題に限らず共通しているのではないでしょうか。まちに空き家があるとどのような問題が起きるでしょうか。例えば、景観の問題、防犯上の問題、防災上の問題など常時、非常時共に課題を抱えます。一方で、なぜそのような空き家が放置されているのかという部分にも制度上の課題もあり、複雑であるのが不動産領域でもあります。所有者不明の物件をどのように扱うかという議論も近年加速しつつありますが、費用負担などを考えると緊急性の有無なども判断材料とさざるを得ないこととなり、複雑なものなのです。では、私たちはどのような空き家の活用を検討すべきなのでしょうか。それは、前述している少子高齢化、人口減少、人口流出などの課題に対して地域がどのように向かうかによって検討していく必要があります。縮小、クローズを検討している地域で空き家活用ビジネスはなかなか投資すべき対象ではありません。中心市街地へのコンパクト化を見越した先行投資が今は熱いポイントだと考えられます。また、あるいは地域の底地力をアップさせようとしているローカルな地への投資も中期的にはいい事業投資である確率は高いと考えられます。その空き家の価値は、交通の便と商圏エリアの人口と経済規模が教えてくれます。次回は、具体的な物件の活用事例を交えながらどのような課題アプローチができるのか、具体的なコンテンツ内容やビジネスモデルについてみていきましょう。